検査の説明一覧
人間ドック学会のHPを参考にしています
眼圧検査
【方法】
眼の表面(眼球)に専用の機械を使い、空気を吹き付けて、眼球にかかる圧力を測ります。ハードコンタクトレンズを装着されている場合は、正しい測定結果が得られないため、外した上で検査をします。
【検査で分かること】
緑内障(眼圧の上昇により視神経が障害を受けやすくなる)
眼底検査
【方法】
眼の瞳孔の奥にある網膜を専用のカメラで撮影します。血管や視神経の状態を調べることができます。
【わかること】
動脈硬化・高血圧・緑内障等
肺機能検査
スパイロメトリーという機械を使い検査を行います。マウスピース(筒)を加えて、空気が漏れないよう鼻にクリップをし、呼吸の機能を調べます。
検査技師の指示に従い検査をすすめていき、どれだけたくさん息を吸ったり吐いたりできるかという最大肺活量の検査と、大きく吸った息をどれだけ強く早く吐き切れるかという吐く勢いの検査を行います。
【肺活量測定】
【努力性肺活量測定】
【わかること】
気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺気腫
【補足】
パーセント肺活量(%VC)
性別・年齢・身長から算出した予測肺活量に対して、実際の肺活量が何%であるのかを示したものです。拘束性障害で低下します。
1秒率とは
深く息を吸ってできるだけ一気に速く吐いた時の息の量(努力性肺活量)に対して、始めの1秒間で吐いた息の量(一秒量)の割合を示したものです。閉塞性障害で低下します。
肺年齢とは
一秒量・身長・年齢から算出します。あくまでも参考値です。
血圧検査
【方法】
心臓から血液が押し出される時に血管に与える圧力のことです。収縮期に血管にかかる圧力が最高血圧で、拡張期に血管にかかる圧力が最低血圧です。労作直後や会話時には高くなるので眼をつぶり落ち着いた状態で測定します。2回測定して平均値をとります。左右差も見ます。
心電図検査
【方法】
心臓が収縮をする時に発生する電流を胸部・手首・足首につけた電極で拾い記録します。力を入れると筋電図が入るので、力をぬいて顔や手を動かさないようにして仰向けで寝ていてください。数十秒秒ほどで終わります。
【わかること】
不整脈、心筋梗塞、狭心症、心肥大など
胃部X線検査
【方法】
発泡剤で胃を膨らませて、その後バリウム(白い液体)を飲んでX線撮影する検査です。内壁に薄くまんべんなくバリウムを付着させるため、機械で検査台を動かしたり、患者さん自身に体の向きを変えてもらったりします。胃壁などに生じた病変を発見する他、消化管に隣接する臓器の病変による影響も画像としてみることが可能です。
【わかること】
食道がん、食道静脈瘤、食道ポリープ、胃潰瘍、胃がん、胃炎、胃ポリープ、十二指腸潰瘍、十二指腸ポリープなど
【注意事項】
検査後は水分を多めに(1Lくらい)とり、処方された下剤は、必ず飲んでください。2~3日のうちに、バリウム(白色の便)を出すようにしてください。
上部消化管内視鏡検査
【方法】
上部消化管内視鏡検査とは、一般的には「胃カメラ」と呼ばれているもので、先端にカメラが付いた細い管を食道から胃へ挿入し、その内壁を観察します。粘膜を直接観察できるため、病変の形や色、出血の有無までわかります。また、がんが疑われるときなどには、内視鏡先端部から特殊な器具を出して生検(組織を少しとってくること)を行なうことができます。
【わかること】
逆流性食道炎、食道潰瘍、食道ポリープ、食道がん、胃炎、胃ポリープ、胃潰瘍、胃がん、食道・胃の静脈瘤、十二指腸潰瘍、十二指腸ポリープなど
【注意事項】
検査の後は喉に麻酔がきいていますので、決められた時間まで飲食は避けていただきます。
ピロリ菌検査
【方法】
採血した血液でピロリ菌抗体の有無を調べます。または便でピロリ菌に対する抗原の有無を調べることも可能です。ピロリ菌は、胃、十二指腸潰瘍の原因となります。胃がんなどのリスクも上がります。
【わかること】
ピロリ菌感染の有無
【注意事項】
胃・十二指腸潰瘍を繰り返す状態でピロリ菌が陽性であれば、抗生物質で除菌治療を行ないます。但し保険での治療を行うため、除菌の前には上部消化管内視鏡検査を受けていただく必要があります。
ペプシノーゲン検査
【方法】
採血した血液で胃の酵素を調べます。胃粘膜の萎縮の広がりとその程度、胃液の分泌機能、胃粘膜の炎症の有無が分かるほか陽性であれば萎縮性胃炎の疑いがあると考えられ、胃がんのリスクが上がります。
【わかること】
胃粘膜の萎縮の程度
【注意事項】
この検査だけで、胃の疾患を判定することはできませんので、胃部X線検査や上部消化管内視鏡検査などの画像診断との併用が基本になります。
血液学検査
白血球
細菌などから身体を守る働きをしています。高値になると炎症・腫瘍の存在が疑われますが、どこの部位で発生しているかはわかりません。たばこを吸っている人は高値となります。
赤血球
赤血球は肺で取り入れた酸素を全身に運び、不要となった二酸化炭素を回収して肺へ送る役目を担っています。
ヘモグロビン
赤血球に含まれるヘムタンパク質で、酸素の運搬役を果たします。
ヘマトクリット
血液全体に占める赤血球の割合をヘマトクリットといいます。
血小板
出血したとき、その部分に粘着して出血を止める役割を果たしています。
赤血球恒数
MCV…赤血球の体積
MCH…赤血球に含まれる血色素量
MCHC…赤血球体積に対する血色素量の割合
その他
血沈
肝・胆・膵機能検査
総蛋白
血液中の総タンパクの量を表します。
アルブミン
血液蛋白のうちで最も多く含まれるのがアルブミンです。アルブミンは肝臓で合成されます。
A/G比
A/G比とはアルブミンとグロブリンの比です。
AST(GOT)
心臓・筋肉・肝臓に多く存在する酵素です。
ALT(GPT)
肝臓に多く存在する酵素です。
γ-GTP
肝臓や胆道に異常があると血液中の数値が上昇します。
LDH
全身の組織細胞に存在し糖がエネルギーに変化する時に働き、特に肝臓に多く含まれる酵素です。
ALP
肝臓、胆道、骨に多く含まれる酵素です。
総ビリルビン
胆汁中に含まれる黄色の色素です。赤血球中のヘモグロビンの分解産物で肝臓で間接型ビリルビンから直接型ビリルビンになり、合わせたものが総ビリルビンです。
アミラ-ゼ
でんぷんなどの糖類を分解する消化酵素で、唾液腺や膵臓から分泌されます。
鉄
血中ヘモグロビンの原料となるのが鉄です。
コリンエステラ-ゼ
肝臓のみで作られる酵素です。
その他
LAP(ロイシンアミノペプチターゼ)、ZTT(硫酸亜鉛試験),TTT(チモール混濁試験)
脂質系検査
総コレステロ-ル
血液中にはコレステロールという脂質が含まれています。ホルモンや細胞膜を作る上で大切なものですが、増えすぎると動脈硬化を進め、心筋梗塞などにつながります。
中性脂肪
体内の中で最も多い脂肪で、糖質がエネルギーとして脂肪に変化したものです。
HDLコレステロール
善玉コレステロールと呼ばれるものです。血液中の悪玉コレステロールを回収します。少ないと、動脈硬化の危険性が高くなります。
LDLコレステロ-ル
悪玉コレステロールと呼ばれるものです。LDLコレステロールが多すぎると血管壁に蓄積して動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞を起こす危険性を高めます。
non-HDL
non-HDLは総コレステロ-ルからHDLコレステロ-ルを引いたものです。LDLだけでなく他の動脈硬化のリスクを含んだ指標です。
腎機能検査
尿素窒素
蛋白質が分解された後にできる老廃物で腎臓の糸球体でろ過され尿中へ排出されます。
クレアチニン
アミノ酸の一種であるクレアチンが代謝された後の老廃物です。筋肉量が多いほどその量も多くなるため、基準範囲に男女差があります。腎臓でろ過されて尿中に排泄されます。
尿酸
タンパク質の一種であるプリン体という物質が代謝された後の残りかすのようなものです。この検査では尿酸の生成・排泄のバランスがとれているかどうかを調べます。数値の高い状態が続くと、結晶として関節に蓄積していき、突然関節痛を起こします。これを痛風発作といいます。また、尿路結石も作られやすくなります。
eGFR
血清クレアチニン値、年齢、性別から計算し腎臓の機能を表します。
乳房触診(乳房触診)
【方法】
上半身の衣服を脱いだ状態で椅子に座り、乳房のひきつれや腫れ、赤み、ただれ、乳頭のへこみが無いかを目で確かめます。その後、指で触り、しこりの有無や様子をチェックします。脇の下や鎖骨上のリンパ節も調べます。
【注意事項】
乳腺検査は基本として乳房視触診とマンモグラフィとを併せて行います。乳がんを触診だけで診断するのは、専門医でも困難です。
マンモグラフィ(乳房X線検査)
【方法】
上半身は裸になって乳房撮影装置の前に立ちます。乳房を全体が写るように前に引っ張り、撮影装置の検査台と圧迫筒ではさみます。痛みを伴うことも多いですが、厚みが薄くなるほど精度があがり、被爆も減少しますのでご協力ください。圧迫は数秒間だけです。
【わかること】
乳がん、乳腺線維腺腫(良性腫瘍)など
【注意事項】
乳房を圧迫するときには、多少の痛みをともないます。痛みを感じる程度や部位は人によって異なりますが、生理前1週間は乳房が張って痛みを感じやすいので避けたほうがよい場合もあります。また授乳中の方も乳腺が観察し辛い状態になっていますので断乳後をおすすめします。
子宮細胞診
【方法】
子宮頸部(入口付近)の発がん好発部位粘膜を専用の綿棒あるいはブラシでこすり、細胞を取ります。その細胞中に異常な細胞が無いかを調べます。子宮頸がんはヒトパピローマウイルス感染によって若いうちから発病するので、20代や30代の方にもおすすめします。
【わかること】
子宮頸がん 前がん細胞~がん細胞、その他(トリコモナス原虫・カンジタなど)
【注意事項】
生理中は検査できませんのでご注意ください
HPV検査
【方法とどのような検査か】
子宮頸がんの主な原因はヒトパピローマウイルスの感染によるものと言われています。そのウイルスの感染がなければ、子宮頸がんになるリスクが低いことになります。方法は子宮細胞診の検査と同様で、子宮頸部粘膜(入口付近)を専用の綿棒でこすって細胞を採取し特殊な検査方法で、ヒトパピローマウイルスに感染していないかを調べます。
【わかること】
子宮頸がんのリスク(ヒトパピローマウイルスに現在感染しているかどうか)
【注意事項】
生理中は検査できませんのでご注意ください
婦人科内診
骨盤内の触診は子宮細胞診と同じくらい大切です。子宮筋腫の有無や卵巣嚢腫などの病変があるか、この触診でわかります。検査方法としては、まず下着を脱いでいただいた状態で内診台に上がります。リラックスした状態で内診をうけた後、前に述べた子宮細胞診やHPVを受けます。
【わかること】
子宮筋腫、卵巣腫瘍、子宮頸管ポリープ、膀胱下垂、膣炎、外陰炎等
経腟超音波検査
【方法】
経膣超音波検査は、膣内に細いプローブ(検査棒)を挿入して骨盤内に異常があるかを調べる方法です。女性器である子宮や卵巣を検査する方法として、内診と平行して行われます。内診が指で触ることで、炎症や腫瘍などが判るのに対し、経膣超音波検査は画像で卵巣や子宮の中の様子を確認できます。内診では指が届かない、触れられない部分も診る事が出来ます。子宮筋腫の大きさや卵巣嚢腫の内部構造なども確認することができます。
【わかること】
【子宮疾患】子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮体がん、子宮内膜ポリープなど
【卵巣疾患】卵巣がん、卵巣嚢腫、チョコレート嚢胞、多嚢胞性卵巣症候群など
頸動脈超音波検査
【方法】
仰向けに寝て、頸動脈の状態や血流を調べる検査です。超音波プローブを頸部に当てて、この検査により、頸動脈の血管壁の状態を見ることができ、動脈硬化を視覚的にとらえ診断することができます。血管が狭くなっているかどうかや血液中に血のかたまり(血栓)がないかもわかります。それらがあると、脳の血管を詰まらせる危険性があります。
【わかること】
動脈硬化や高血圧・高脂血症などを有する人の動脈硬化の進行程度の判定に有用です。
心臓超音波
【方法】
心臓超音波検査に際しては、仰向けに寝て、手足に心電図電極をつけ、前胸部を露出します。心臓のある左前胸部にゼリーを塗って超音波プローブを当てて検査をしていきます。検査中に身体の向きを変えていただく等することもあります。心臓超音波検査では、心臓の形態を見ることができます。心臓や心室の大きさや壁の厚さ、弁の形、そして先天性異常などが観察できます。心臓の機能も確認できます。心臓のポンプ機能が正常に働いているかどうかが分かります。また、心房や心室の収縮や拡張の様子、弁の開閉を観察します。また、血流に色をつけたカラードップラー法を行うことで、血液が逆流していないかどうかなども調べることができます。
【わかること】
心筋梗塞、弁膜症、心肥大、心不全などの心疾患
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